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2023年7月4日 火曜日
それは心霊現象ではありません。
「痛―っ!」
『ぐっすり眠っているところに突然、筋肉がぎゅーっと収縮して悶絶するほどの痛みで身動きがとれない。
時計を見ると、決まって真夜中や明け方。
昼間はほとんど起こらないのに、最近頻繁に足がつって目が覚める。
寝た気がしないし、ひどい時は目が覚めても筋肉に痛みが残っている感じ。
ミネラル不足と聞いたことがあるけれど、それともなにか病気の前兆でしょうかね?』
40代の女性Aさんのご相談
それはお困りでしょう。
足が攣った時の痛みは悶絶ものです。
それが夜中だと睡眠の質も悪くなるし、不安にもなりますね。
こむら(ふくらはぎ)返りとも言いますが、ふくらはぎだけでなく足の指や土踏まずが攣ることもあります。
一般的に筋肉の動きに関係するミネラル(カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなど)不足や、寝ている間の脱水状態などが原因とも言われています。
漢方では筋肉が攣ることを転筋といいます。
実は、五行説でいうと筋肉と関係が深い臓器は「肝」です。
どうやら筋肉が攣ることと、肝の働きには密接なつながりがありそうです。
「肝」の働きは
- 全身の気のめぐりをよくし、さらに精神状態を安定させる⇒肝の疏泄(そせつ)作用
- 血の貯蔵庫である⇒肝は血を蔵す
- 筋肉の働きをよくする⇒肝は筋をつかさどる
- 目の働きをよくする⇒肝は目に開竅(かいきょう) す とあります。
筋肉の働きは肝血によって維持されています。
つまり、肝血が十分だと筋肉の動がスムーズであり、耐久力もありますが、逆に不足すると筋肉のけいれんやふるえなど筋肉に異常が出てくるというわけです。
血は昼間全身をめぐり生命活動を支えていますが、夜間は血の消耗が少ないので必要以外の血は肝に戻ります。ですから、肝血が不足(肝血虚)していると筋肉が攣りやすくなると考えられます。
血の詳しい話は別の機会に譲りますが、血には全身の細胞に栄養を運ぶ役割があります。
口から入ったミネラルバランスが悪いと当然血のミネラルバランスも悪くなり、筋肉の働きにも影響が出てきます。
ミネラルだけに注目するのではなく、栄養豊かな肝血を補う(補血)ことも重要です。
突然足がつった時はどうしたらいい?
○つった方の足のつま先をつかんで、手前にゆっくりと引っ張る。
○アキレス腱を伸ばす要領で、ふくらはぎをゆっくりと伸ばす。(立っているときも寝ているときも)
○優しく揉む
食べもので予防できる!
食べると特に良いもの
肉類:レバー類、牛肉、すっぽん
卵類:ウズラの卵、鶏卵
豆類:小豆、大豆、インゲン豆など
野菜・キノコ:ほうれん草、青梗菜、春菊、人参、白キクラゲ、しいたけ、しめじ
果物:ぶどう、リュウガン、ライチなど
魚介類:赤貝、いか、いわし、かつお、まぐろ、ぶりなど
漢方は起きている現象を自然の摂理従ってカラダ全体をみて、困った症状を解決していくことが得意です。
こんなことくらい・・・?私だけかも?と思わずに、
お気軽にご相談ください
TEL 0955-70-1881
タグ:こむら返り, 伊万里, 佐賀, 唐津, 漢方, 福岡, 糸島, 足がつる
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2023年5月8日 月曜日
出物腫れ物所嫌わず
おならなどの出物やおできは、時ところ構わずに出るという意味で、
思わずおならをしてしまったときなどに昔からよく使われてきた言葉です。
人前で出そうになって困ったことや、気兼ねなく思いっきり出せたときの気持ち良さはどなたにも経験あることでしょう。
今回はそんな「おならの話」です。
1,おならの原因
おならは正式には「屁」といいます。
おならは体内に溜まったガスを外に出そうとする生理現象なので、止めるわけにはいきませんね。
個人差はありますが、その量は諸説あるのでここでは省略します。
呼吸や食事とともに入ってくる空気の大部分はゲップで排出されますが、少量の空気が消化管に入りそれがおならとして排出されます。
食べ物が胃や小腸で消化吸収され、そのカスが大腸で腸内細菌によって発酵分解される時にガスが発生しますが、ほとんどは腸管から吸収されます。
吸収されなかったガスがおならとして排出されるのです。
腸管から吸収されたガスは、血液で肺に送られ呼気の一部になって出て行きます。
(漢方の考え方でも肺と大腸は深い関係があるのです。)
2,おならの音はどうして出るの?
腸内に溜まったガスが出るときに、肛門の上皮が振動して音が出ます。
ガスの量や速度によって音の高低や大きさが変わるようですが、まるでリード楽器のようです。
そういえば、おなら演奏のビックリさんをテレビで観たことがありますよ。
3,おなら臭い?臭くない?
1, のところで述べたように、消化吸収されなかった食べ物のカスが大腸で分解され発酵してガスが発生するので、食べ物の種類や量、体調、腸内環境によってガスの量や匂いが異なります。
例えば、食物繊維が多い食品は大腸で乳酸菌などによって分解され多量のガスが発生しますが、ほとんど匂いません。
肉類や硫黄成分を含んだ食べ物(ニンニク、ネギ類など)は、ウエルシュ菌などの悪玉菌によって分解される時に腐敗し匂いの強いガスを発生します。
おならの悩みと漢方
「大きなおならをするから、お父さんキライ!と娘が言うのですよ。」
「職場でもそうなのかと尋ねたら、職場では余り出ないけどお腹が張るらしい。『屁は健康のバロメーター!』と夫は言うけど、本人もちょっと気にはなっているみたいなんです。」と苦笑いしながらご主人のおならのことでご相談がありました。
さて、このお父さんのおならは臭いでしょうか?臭くないでしょうか?
*肝の働きとおなら
おならのことを漢方では失気といいます。
気体ですから、気という文字が使われるのは納得です。
「気」は元気の気、目には見えないエネルギーのようなものと考えるといいでしょう。
気は体の中を巡って活動しています。その流れを調節しているのが「肝」の働きです。
肝は伸びやかな状態を好みますが、ストレスなどで伸び伸び出来ない状態が続くと、気の流れが滞って様々な症状が出てきます。
気の流れが滞って溜まるので、胃腸の働きにも影響が出てきますし、ガスが溜まってお腹が張る、おならが多くなる、逆に出したくても出なくて苦しい思いすることもあります。
お腹と限らず、様々な場所で張った痛みが出てくることもあります。
ご相談のお父さんはお仕事の気遣いで気の流れが滞り、ご家庭でほっとして溜まった気をおならとして放出したのでしょう。なので、正解は匂いのないおならです。
こんな症状を肝うつ気滞証といいます。抑うつされた精神状態を整えて気の流れをよくする漢方がお役に立ちます。
*胃腸の働きとおなら
胃腸の働きが弱って消化吸収がうまくいかないと、大腸に負担がかかりガスが発生しやすくなります。
また、便秘になると腸内で腐敗し臭いおならに悩まされることにもなります。
胃腸を丈夫にすることも大切です。
🔲おならが多い
🔲おならが臭い
🔲おならの音が大きい
🔲お腹が張る
🔲年を取っておならが多くなった
おならの悩みには漢方がお役に立ちます。ひとりで悩まずご相談下さい。
TEL 0955-70-1881
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2023年2月22日 水曜日
春です!
自然界では春は芽吹きの季節。
植物たちは伸びやかに成長していきます。春はちょっとしたことで気分がウキウキ!
でも、実は
春は肝が弱りやすい季節でもあるのです。
肝の弱りが原因で、困った症状が出ることも。
当てはまる方いらっしゃいませんか?
「人と話をするときに、痰が絡んだようになって咳払いをしてしまいます。相手に不快な印象を与えているのでは?と心配になります。緊張したり、困ったことが起こると特にひどい気がします。」
「喉に何かが詰まっているような感じがするのですが、飲み込むことも出来ず出すことも出来ません。その詰まったものはいつの間にか消えているのですが、ふとしたときにまた出てきてしまいます。」
「無意識なのですが、頻繁に咳払いをしてしまい『風邪ですか?』と言われてしまいます」
このように喉の違和感を訴えてご相談にいらっしゃることが多いです。
「誤って何か飲み込んだのかな?」「喉に何か出来ているのでは?」と不安になって病院を受診しても、喉に異常は見られない場合がほとんどです。
咽喉頭異常感症という病名がつくこともありますが、漢方では『梅核気』『ヒステリー球』などと言い表します。
これらの症状は『肝』の働きが大きく関係しています。
五行説に照らし合わせると、肝には木の性質があり伸びやかな状態を好みます。
『肝』の働きのひとつに気の流れを司る働きがありますが、ストレスや緊張、抑うつ感、憂鬱な気持ち、怒りなどがあると伸び伸び出来ず気の流れが滞ってしまい『肝鬱証』の症状が出てきてしまいます。それが人によっては喉の違和感として出てくるのです。
上手にストレス発散をしたり、体を動かしたり、『まあ、いいか!』と考え方を変えたりすることは気の流れを良くすることに繋がります。
それでも難しいときは漢方薬が手助けします!
人間も植物同様伸び伸び生きていけると出来ると良いのですが、特に春は入学・就職・引っ越しなど環境の変化も大きく、子どもも大人も気の流れが滞りがち。
自然は巡ります。春を快適に過ごすには今からの養生が大切になってくるのです。
肝の弱り、ストレス緩和は漢方が得意とするところです!
お気軽にご相談下さい♪
このほか、『肝』にはさまざまな働きがあり『肝の弱り』に伴う症状もさまざまです。
次回は別の『困った症状』を掲載予定です。
また覗いてみてね♪
しっかり体調を整えて、楽しい春を迎えましょう♪
お問い合わせ TEL0955-70-1881
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2022年10月28日 金曜日
『秋になって空咳が出始めました。
一度咳をし始めると立て続けに出て、夜は特につらいです。
ゾクゾク寒気や熱もないので風邪ではないと思うのだけど。
以前咳ぜんそくと言われたことがあるので、そうならないようにしたいのです。』
日中は夏のように暑く、夕方日が沈むと急にヒヤッとした空気に変わったある日、こんなご相談がありました。
コンコン!ケンケン!痰がなくて乾いた咳。
痰はあっても少なくて切れにくい咳。
顔が赤くなるほど立て続けに出る咳。
咳が続くと体力も消耗するし、しかも夜間だと睡眠も妨げられるので、本当につらいですね。
こんなお悩みないですか?
□ 鼻やのどの乾燥感
□ 乾いた咳
□ 痰は少ないが、切れにくい咳
□ なかなか咳が治まらない
□ 疲れると呼吸が浅くなる
□ 皮膚の乾燥
□ 乾燥による痒み
□ 最近便秘がち
実は、秋は咳のお悩みが増える季節なのです。
【空咳とはどんな咳?】
咳は体内に入ってきた異物やウイルス、細菌などを追い出そうとする身体に備わった正常な反応です。
咳には痰が多い湿った咳と、痰がないか有っても少量で切れにくい乾いた咳があります。
空咳とは、後者の痰がない咳のことです。
【空咳の原因は?】
風邪、空気の乾燥、アレルギー、たばこの吸い過ぎ、咳ぜんそく、肺炎等が有りますが、ここでは秋に多い咳のお悩みについて書いてみます。
【秋に空咳が多い訳】
日中の暑さは夏のようでも朝晩の気温が下がっていく秋口は、冷たい飲み物の摂りすぎや夏の疲れで弱った胃腸を立て直す時期です。
季節はいきなり「夏」から「秋」に変わるのではなく、徐々に移っていきます。
それぞれの季節の変わり目を土用と言い、次の季節に備えて胃腸の養生をします。
土用とは立春、立夏、立秋、立冬の前18日間を指します。
旧暦(和暦)は現在使われている暦と若干のずれもあり、現在の季節感にもそぐわないのでピンとこないかも知れませんね。
秋口は日中は夏のように暑い日が続いているので、つい冷たいものを摂るなど胃腸の養生を怠りがちです。
そうすると、空気が冷えて乾燥する本格的な秋になるころに肺の働きが衰えてきます。
【肺の働き】
肺が吸入した「精気(空気)」と食べ物を脾胃で消化吸収したもので作られた「気」のエネルギーを全身に巡らせ、脾胃から送られてきた水分の代謝を調節をし、皮毛(皮膚)に精を送り、喉や鼻の粘膜を丈夫にして外邪(細菌、ウイルス、気候の変化)から身を守る働きがあります。
【秋と肺】
健康な肺は潤いがあるので、燥邪(身体にとって必要以上の乾燥)の影響を受けにくいのですが、肺の機能が衰えていると空気が冷え乾燥してくる秋に燥邪の影響を受け、鼻や喉の乾燥感、空咳が出やすくなります。
また、肺は皮膚・大腸と密接な関係があるので、皮膚の乾燥、乾燥による痒み、腸の潤い不足で便秘などの症状が出やすくなったりもします。
【肺の養生】
肺は乾燥と冷えに弱いので、秋口に冷たいものを取り過ぎないようにします。
秋は香辛料などで肺を温め、潤す作用のある食材を積極的に摂りましょう。
シソ、ニンンク、ショウガ、サンショウ、コショウ、ゴボウ、大根、にんじん百合根、松の実、クルミ、ごま、リンゴ、イチジク、梨、ブドウ・・・自然はその季節の養生に必要なものをちゃんと用意してくれていますね。
一口メモ:「咳に大根ハチミツ」の訳
大根は気を降ろす作用があり、咳を鎮めてくれます。
蜂蜜には潤す作用があるので、乾燥した咳や腸の乾燥による便秘に効果的です。ただ、大根は涼の作用があるので、生姜を少し入れるとよいでしょう。
【鼻呼吸、口呼吸】
①鼻腔の働き
・匂いを感じる
・声の響きをよくする
・空気の加湿・加温
・異物の排泄(くしゃみ、鼻水などで)
・吸った空気をきれいにする
・一酸化窒素(NO)の分泌
②鼻呼吸の場合
・鼻毛や絨毛、鼻水で細菌やウイルス、花粉などの異物を濾過
・扁桃リンパ組織が更に異物を防御
・鼻の中で温められ、加湿された空気が肺に入る
・一酸化窒素により殺菌された安全な空気が肺に入る
※口呼吸ではこれができません。
③口呼吸の場合
・口腔内が乾燥し、細菌などが繁殖しやすい
・乾いて冷たい異物だらけの空気が直接喉を通り、肺に入る
【肺と密接な関係 ~鼻 皮膚 大腸 の話~】
五行色体表によると、肺と鼻、大腸、皮毛には密接な関係があります。
①肺と鼻:
鼻腔の働きでもわかるように、鼻は肺を守るために存在すると言っても過言ではありません。
鼻粘膜から分泌される鼻水は、1日に1L~1.5Lといわれています。つまり鼻腔の中はかなり高い湿度になっていて、鼻呼吸で入ってきた乾いた空気に適度な湿り気を与えて肺へ送るという役割を担っています。また、鼻毛は優秀なフィルターで空気中のホコリ、花粉、ウイルスなどが体内に入るのを防いでくれます。
※鼻水が多すぎても困った症状に悩まされるのですが、これについては又別の機会に譲ります。
②肺と大腸と皮毛(皮膚と考えてください):
五臓六腑の関係性で、肺と関係がある腑は大腸です。大腸は食べ物が消化吸収された残り滓から水分とミネラルを吸収し、便を作るところです。
肺の働きが衰えて、働きの一つである粛降作用(上から下へおろす)がうまくいかないと、便も出にくくなってきます。便秘はニキビ肌荒れの原因になることは皆様も実感としてあるでしょう。
皮膚の膚の中に胃という字が組み込まれていますね。つまり「皮膚は内臓の鑑」といわれるように、皮膚治療においては胃腸の状態を考慮するべきなのです。
【秋は感傷的?!】
秋の夕暮れは何故かもの悲しいですね。ススキの穂が揺れても、落ち葉が落ちても悲しい・・・(少々オーバーですが)、秋になって肺が衰えてくると「悲」という感情に陥りやすくなります。逆に季節にかかわらず「悲しみ」過ぎると肺を傷つけます。
そんな時は呼吸が浅くなっていますので、深呼吸がおすすめ。口から大きく吐いて、鼻から深ーく吸い込みます。
空気のよい郊外で紅葉を楽しみながら、深呼吸をすると、「悲しい気持ち」も吹き飛びます。気分転換にもなって呼吸器系も鍛えることができて、一石二鳥です。
いかがでしたか?空咳から感傷的な秋のお話まで。
季節に合わせた養生は漢方が得意とするところです。
薬剤師・国際中医師・子宝カウンセラー
渡辺喜美江
いつまでもとれない咳(有痰、無痰)、困った鼻の症状、皮膚のお悩みは今すぐお電話、LINE、HPからご予約ください。
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