ちょっと寒気がして「風邪かな?」と思ったときに、葛根湯を定番にされている方は多いですね。
秋が深まり風邪の季節になると、風邪薬のコマーシャルが増えてきます。
ほとんどが西洋薬の総合感冒剤といわれているものですが、中には葛根湯を配合した総合感冒剤もあります。
さて、お買い物に来られた30代の女性からこんなお話を聞かせていただきました。
「夏の終わり頃に疲れが出たのか風邪を引いちゃって、
治るのにすごく時間がかかってしまった。よほど免疫力が落ちているんですかねぇ。」
さらに詳しくお話を伺うと・・・
「寒気がしたので、いつものように葛根湯を寝る前に飲んだのです。
夜中にパジャマを着替えるほど汗をかいたので、翌朝は治っているかなと思ったら、
身体がだるく気分がすぐれなかったのです。
その後、3日間ほど葛根湯を飲んだのですが、やっぱり調子が悪くて・・・。
半月ほどかかってやっと元に戻った感じです。」
葛根湯を風邪の初期に使う時の条件は
🔲ゾクゾクとして着込んでも取れない寒気
🔲発熱や体温計には関係なくどこか熱っぽい
🔲うなじや肩が凝る
🔲皮膚はさらっとして汗ばんでいない
を目標とします。
それ以外に頭痛や咳、くしゃみ、喉が痛いなどの一般的な風邪症状があっても、それは二の次です。
この女性が葛根湯を飲んだときの状態はどうだったのでしょうか?
おそらく葛根湯の使用条件と合っていなかったので、汗をかきすぎて悪化させたのではないかと考えられます。
葛根湯の条件に合っていれば、1,2服ですっきりと治るはずなのです。
風邪とは病名ではなく、鼻と口と肺をつなぐ気道の上部(上気道)の炎症のことで、
医学的には「かぜ症候群(感冒、急性上気道炎)」といわれます。
漢方的には風邪(ふうじゃ)といい、風(ふう)の邪(じゃ)に襲われた時の様々な症状、
つまり寒気や熱っぽさ、くしゃみ鼻水、咳、喉の痛みなどの症候群を指しますが、それは一様ではありません。
つまり、そのときの症状によって使う漢方薬は異なります。
風邪の初期、これらの症状に的確にあった漢方薬を飲んでピタリと治したいですね。
また、風邪の初期なのか、こじらせて数日経っているのか、
風邪が引き金となって自分の身体の状態が作り出した症状(内傷病)なのかなど、
風邪症状に使う漢方薬は何種類もあります。
たかが風邪、されど風邪。
風邪は万病の元とも言われます。
風邪くらいと侮らず、どうぞご相談下さい。
その前に
疲れを溜めない
寝不足をしない
偏食しない
上手にストレス発散
など
「風邪を引かない日頃の身体作りが大切」なのは言うまでもありません。
一言で『風邪』といっても種類はたくさんあります。
他の症状についてはまた後日追記致します。
いつでもお気軽にご相談ください!
文責
べにばな薬局
薬剤師 国際中医師 子宝カウンセラー
渡辺喜美江
べにばな薬局 TEL0955-70-1881