それは心霊現象ではありません。
「痛―っ!」
『ぐっすり眠っているところに突然、筋肉がぎゅーっと収縮して悶絶するほどの痛みで身動きがとれない。
時計を見ると、決まって真夜中や明け方。
昼間はほとんど起こらないのに、最近頻繁に足がつって目が覚める。
寝た気がしないし、ひどい時は目が覚めても筋肉に痛みが残っている感じ。
ミネラル不足と聞いたことがあるけれど、それともなにか病気の前兆でしょうかね?』
40代の女性Aさんのご相談
それはお困りでしょう。
足が攣った時の痛みは悶絶ものです。
それが夜中だと睡眠の質も悪くなるし、不安にもなりますね。
こむら(ふくらはぎ)返りとも言いますが、ふくらはぎだけでなく足の指や土踏まずが攣ることもあります。
一般的に筋肉の動きに関係するミネラル(カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなど)不足や、寝ている間の脱水状態などが原因とも言われています。
漢方では筋肉が攣ることを転筋といいます。
実は、五行説でいうと筋肉と関係が深い臓器は「肝」です。
どうやら筋肉が攣ることと、肝の働きには密接なつながりがありそうです。
「肝」の働きは
- 全身の気のめぐりをよくし、さらに精神状態を安定させる⇒肝の疏泄(そせつ)作用
- 血の貯蔵庫である⇒肝は血を蔵す
- 筋肉の働きをよくする⇒肝は筋をつかさどる
- 目の働きをよくする⇒肝は目に開竅(かいきょう) す とあります。
筋肉の働きは肝血によって維持されています。
つまり、肝血が十分だと筋肉の動がスムーズであり、耐久力もありますが、逆に不足すると筋肉のけいれんやふるえなど筋肉に異常が出てくるというわけです。
血は昼間全身をめぐり生命活動を支えていますが、夜間は血の消耗が少ないので必要以外の血は肝に戻ります。ですから、肝血が不足(肝血虚)していると筋肉が攣りやすくなると考えられます。
血の詳しい話は別の機会に譲りますが、血には全身の細胞に栄養を運ぶ役割があります。
口から入ったミネラルバランスが悪いと当然血のミネラルバランスも悪くなり、筋肉の働きにも影響が出てきます。
ミネラルだけに注目するのではなく、栄養豊かな肝血を補う(補血)ことも重要です。
突然足がつった時はどうしたらいい?
○つった方の足のつま先をつかんで、手前にゆっくりと引っ張る。
○アキレス腱を伸ばす要領で、ふくらはぎをゆっくりと伸ばす。(立っているときも寝ているときも)
○優しく揉む
食べもので予防できる!
食べると特に良いもの
肉類:レバー類、牛肉、すっぽん
卵類:ウズラの卵、鶏卵
豆類:小豆、大豆、インゲン豆など
野菜・キノコ:ほうれん草、青梗菜、春菊、人参、白キクラゲ、しいたけ、しめじ
果物:ぶどう、リュウガン、ライチなど
魚介類:赤貝、いか、いわし、かつお、まぐろ、ぶりなど
漢方は起きている現象を自然の摂理従ってカラダ全体をみて、困った症状を解決していくことが得意です。
こんなことくらい・・・?私だけかも?と思わずに、
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