べにばな薬局のブログ

漢方の話

風邪には葛根湯?

2023年10月27日 金曜日

ちょっと寒気がして「風邪かな?」と思ったときに、葛根湯を定番にされている方は多いですね。

秋が深まり風邪の季節になると、風邪薬のコマーシャルが増えてきます。

ほとんどが西洋薬の総合感冒剤といわれているものですが、中には葛根湯を配合した総合感冒剤もあります。

さて、お買い物に来られた30代の女性からこんなお話を聞かせていただきました。

「夏の終わり頃に疲れが出たのか風邪を引いちゃって、

治るのにすごく時間がかかってしまった。よほど免疫力が落ちているんですかねぇ。」

さらに詳しくお話を伺うと・・・

「寒気がしたので、いつものように葛根湯を寝る前に飲んだのです。

夜中にパジャマを着替えるほど汗をかいたので、翌朝は治っているかなと思ったら、

身体がだるく気分がすぐれなかったのです。

その後、3日間ほど葛根湯を飲んだのですが、やっぱり調子が悪くて・・・。

半月ほどかかってやっと元に戻った感じです。」

葛根湯を風邪の初期に使う時の条件は

🔲ゾクゾクとして着込んでも取れない寒気

🔲発熱や体温計には関係なくどこか熱っぽい

🔲うなじや肩が凝る

🔲皮膚はさらっとして汗ばんでいない   

を目標とします。

それ以外に頭痛や咳、くしゃみ、喉が痛いなどの一般的な風邪症状があっても、それは二の次です。

この女性が葛根湯を飲んだときの状態はどうだったのでしょうか?

おそらく葛根湯の使用条件と合っていなかったので、汗をかきすぎて悪化させたのではないかと考えられます。

葛根湯の条件に合っていれば、1,2服ですっきりと治るはずなのです。

風邪とは病名ではなく、鼻と口と肺をつなぐ気道の上部(上気道)の炎症のことで、

医学的には「かぜ症候群(感冒、急性上気道炎)」といわれます。

漢方的には風邪(ふうじゃ)といい、風(ふう)の邪(じゃ)に襲われた時の様々な症状、

つまり寒気や熱っぽさ、くしゃみ鼻水、咳、喉の痛みなどの症候群を指しますが、それは一様ではありません。

つまり、そのときの症状によって使う漢方薬は異なります

風邪の初期、これらの症状に的確にあった漢方薬を飲んでピタリと治したいですね。

また、風邪の初期なのか、こじらせて数日経っているのか、

風邪が引き金となって自分の身体の状態が作り出した症状(内傷病)なのかなど、

風邪症状に使う漢方薬は何種類もあります。

たかが風邪、されど風邪。

風邪は万病の元とも言われます。

風邪くらいと侮らず、どうぞご相談下さい。

その前に

疲れを溜めない

寝不足をしない

偏食しない

上手にストレス発散 

など

「風邪を引かない日頃の身体作りが大切」なのは言うまでもありません。

一言で『風邪』といっても種類はたくさんあります。

他の症状についてはまた後日追記致します。

いつでもお気軽にご相談ください!

文責

べにばな薬局

薬剤師 国際中医師 子宝カウンセラー

渡辺喜美江

べにばな薬局 TEL0955-70-1881

げっぷの話

2023年8月25日 金曜日

~『げっぷ』が出るので困っています~

  

『食事の時にゲップがよく出て困っています。

人と食事をしているときは失礼になると思って我慢したいのですが、

つい出ちゃうんです。

一人の時は気にせずに出せるので、スーッとして楽です。

胃が悪いのかなー?と思って胃薬飲んだけどあまり効果ないし、病院で検査しても特に異常はなくて・・・。』

20代の女性のご相談

お話を伺うと・・・

🔲 食事していないときもゲップがよく出る

🔲 ストレスを感じると、みぞおちあたりが張ってきて

🔲 脇の方まで張ることもある。

🔲 ゲップが気持ちよく出ると、スーッとする。

🔲 お腹が張るとおならも気になる。

🔲 炭酸飲料は苦手

人と食事をしている時にげっぷが出そうだと食事も楽しめません。

食事に関係なく出るのも気になりますね。

げっぷはどうして出るの?

飲食を飲み込むときや会話、呼吸とともに若干の空気が胃の中に貯め込まれます。

その空気が一定量に達したときに胃の入り口(噴門部)が開いて

口から音を伴って出される現象です。

一般的には食べ過ぎや炭酸飲料を飲んだ後などは、よく経験する生理現象ですが、

胃潰瘍や食道裂孔ヘルニア、逆流性食道炎、胃がんなどの上部消化管の病気が

原因の場合もあります。

ストレスとげっぷは関係があるの?

げっぷはストレスを感じたときに多くの空気を呑み込む「呑気症」が

原因と言われたり、

ストレスが続くと自律神経が乱れて胃腸の働きが悪くなり、げっぷが

増えるとも言われています。

げっぷの悩みと漢方

げっぷは噯気(アイキ)と言います。噯(オクビ)の気と書くので、

「気」に関係しています。

「気」は元気の気、目には見えないエネルギーのようなものと考えるといいでしょう。

気は体の中を巡って活動しています。その流れを調節しているのが「肝」の働きです。

肝は伸びやかな状態を好みますが、ストレスなどで伸び伸び出来ない状態が続くと、

気の流れが滞って様々な症状が出てきます。

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また、肝と脾・胃はお互いに制約したり依存したりする関係にあるので、

肝の気の流れをコントロールする作用がうまくいかないと、

脾・胃の消化吸収する作用に影響が出て、

ガスが溜まる、お腹や脇部が張る、げっぷやおならが多くなる、

緊張やストレスで下痢や便秘を繰り返す、などの胃腸症状を伴うことがあります。

お腹と限らず、様々な場所で張った痛みが出てくることもあります。

胃腸症状がなければ、肝の気を巡らし、流れをスムーズにする漢方薬

胃腸症状があれば、肝気を巡らしながら脾・胃の作用を整える漢方薬が

お役に立ちます。

お勧め食材

野菜類・きのこ類:あさつき、しそ、春菊、ニラ、クレソン、セロリ、とうがん、トマト、

ニンニク、ネギ、パセリ、みょうが、シメジ、しいたけ、

肉類:牛豚鶏の肝臓・肉、羊肉など

香辛料:ういきょう、ナツメグ、など

果実類:金柑、杏、イチジクなど

香りのよいもの、辛味のあるものを日頃から意識して摂りましょう。

カルシウムなどのミネラル補給も忘れずに。

おまけの情報:

①世界の温室効果ガスの総排出量の14%は畜産業からで、

 そのうちの65%は牛がする「げっぷ」だそうです。 

②げっぷはおならよりもエチケット違反だと言われる国もあれば、

 食後のげっぷは「美味しかった!」「ごちそうさま!」の挨拶に

 なる国もあるようです。

げっぷのお悩み、こんなことくらいでと思わずに!

お気軽にご相談ください。

TEL 0955-70-1881

だる~い、おも~い、ねむ~い

2022年6月28日 火曜日

何かが覆い被さったように身体がだるいし、頭も重い。

その上異常に眠いし、動くのも億劫。

お天気のせいかしら?

とにかく身体が晴々しないのよ。

 

それはお困りですね。

身体がだるいと仕事もはかどりません。決して怠けているわけではないのですよね。

それは湿気の多いこの季節にありがちな症状です。

最近は「梅雨ダル」という言葉もあるくらいです。

つまり、「だる~い、おも~い、ねむ~い」は身体の湿気のサインなのです。

自然界の「湿」の現象が人体に影響を及ぼす結果で、天候だけではなく湿度の高い地域でも起こりやすい症状です。

そのような湿を漢方では「湿邪」と言います。

実際にご相談に来られる時は、「湿邪」にほかの要素が加わって、様々な症状を現しています。

Aさんの場合

「急に寒気がして、熱っぽい。とにかく身体がだるくて、だるくて。

頭は重いし、吐き気はするし、早く横になりたい。

今から熱が上がるのかしら、節々も痛くなってきた。相当悪質な風邪ですかね。」

Aさんは湿邪に風邪(ふうじゃ)が加わった症状です。

湿度の高い夜に寝冷えでもしましたか?

湿邪も風邪も身体には不要なものなので、取り除いてあげるとスッキリ!

対応が早ければ、1,2服で効果てきめん。

Bさんの場合

「元々冷え性で、エアコンが苦手です。膝掛けを掛けているけれど、腰から下が重怠く冷えます。

くるぶしや、足の甲が冷たくてひどいときは膝も痛くなってつらいです。

足が浮腫みやすく、トイレも近いです。」

冷え性さんはエアコンが苦手です。ストールや膝掛けで防御しても冷えと湿邪でつらいですね。

身体を温めて更に湿邪を追い出す漢方薬が必要ですね。

ただでできる方法は、体温より低いものや身体を冷やす食べものを控えること。

半身浴でじわっと汗をかくこともお勧めです。

Cさんの場合

「実は、おりものが多くて痒いのです。診てもらっても特に異常はないのです。

暑い時期や生理中が特に痒くて憂鬱でイライラします。

暑がりで冷たいものをよく摂ります。」

痒みはつらいですね。外用薬を塗っても一時しのぎです。

熱邪と湿邪による症状です。湿熱の症状は高温多湿で悪化します。

身体の熱(体温計の熱ではありません)を冷ますと同時に湿も追い出す必要があります。

Dさんの場合

「めまいで悩んでいます。特に朝起きるときによく起こります。

急に振り向いたり、上を向いたりするのが苦手です。胃がちゃぽちゃぽしています。

胃腸も丈夫ではありません。便は軟便気味です。」

湿邪の症状というよりも、胃の水分代謝の機能が弱くて体内に湿が滞っている状態です。

胃腸を丈夫にして水分代謝がうまくいくようにしましょう

「湿」は重く濁った性質

思い当たることありませんか?

□身体が重い

□頭が重い 何か被さったよう

□胃が重くムカムカする。吐き気がある。

□軟便や下痢 おなかが鳴る

□関節が重く痛む

□訳もなく朝から眠い

□浮腫みやすい

□垢が多い

□女性の場合おりものが多い    

脱水していない洗濯物をイメージしてみましょう。

ビショビショの衣類は重くダランとしています。

洗濯物が眠いと思っているかどうかわかりませんが、

脱水して風に揺られて乾いていくとヒラヒラと軽やかに見えますね。

梅雨時は洗濯物も乾きにくいですよね。人間の身体もそうなのです。

身体が重だるくても億劫がらずに身体を動かして一汗かくと、

身体が軽くなり症状が楽になってっくるはずです。

毎日のお風呂、シャワーで済ませていませんか?

ちゃんと湯船につかって汗をかきましょう。

それでも辛いときは漢方にお任せ下さい。

季節に合わせた養生は漢方が得意とするところです。

あなたの症状にあわせた漢方薬をお作りします。

心も体も晴々となりますように!

薬剤師・国際中医師・子宝カウンセラー 渡辺喜美江

お問い合わせ 0955-70-1881

おしっこの悩みいろいろ  膀胱炎かな?

2022年5月3日 火曜日

「2,3日前から急におしっこが間近くなって、下腹部に不快感があるの、膀胱炎かしら?」

「そう言えば、症状が出始める前にトイレに行くのを忘れるくらい忙しかった。いざトイレに行くとスムーズに出ないし、量も思ったほど出ていない。下腹が張った感じがして終わる頃にきゅっと痛みがある。」50代女性

~それは、お辛いですね。

忙しいとついトイレを我慢しがち。スムーズに出なかったり痛みがあるとますます憂うつですね。

実は、おしっこの悩みは疲れやストレスとも関係があるのです。

この方の場合、忙しさがストレスになって氣の流れが滞ったのです。氣の流れが滞ると血や水の流れも滞ってきます。

氣の流れを良くして、水の滞りも取る漢方薬が必要です。

おしっこの悩みは女性には多いご相談の一つです。

以下いくつかご紹介します。

Bさん

「長時間運転して疲れていた。車を降りたところでご近所の方と長く立ち話。その後腰も痛くなって、その夜はおしっこに何回も起きた。出方も勢いがないし、終わったかと思うとポタポタっと。残っているのかな?痛みはないけど冷えている感じがある。」60代女性

~疲れと冷えから来る症状です。腎は尿をつくるところ、膀胱は尿を溜めるところ。腎を温める漢方薬の出番です。

Cさん

「2,3日前からおしっこが近くなって困っている。度々行くのに結構な量が出る。痛みや残尿感はないけれど、下腹が重くて腰も重だるい。そう言えば、その頃から夜中のおしっこの回数が増えている。」70代女性

~腎臓で血液から不要な分を濾過して尿として排泄されますが、夜間は腎臓を通過する血液量を調整しています。そこの調節がうまくいかないと結果的に夜間のおしっこの回数が増えてしまいます。温めて腎の機能を回復しましょう。

Dさん

「急におしっこに行きたくなって、出るときに少し熱い感じがして渋ったような痛みがある。残った感じはない。糸状の血が見えたので驚いた。

以前もこんなことがあって、疲れや精神的にいろいろあった時かなと思う。水分はよく摂っている。」40代女性

~水の停滞あるところに、炎症が生じたものです。

水の流れをスムーズにして、炎症や出血を抑える漢方薬が必要です。

膀胱炎(淋症)について

(膀胱炎は漢方の世界では淋症といいます。淋は滴り落ちるという意味です。)

膀胱炎には単純性膀胱炎、複雑性膀胱炎、間質性膀胱炎がありますが、ここでは薬局でご相談が多い単純性膀胱炎について書きます。

膀胱炎とは

○膀胱は腎臓で作られた尿を一時的の貯めておく場所が、細菌感染などによって炎症を起こしている状態です。

○女性に多くみられます。

○ほとんどの場合細菌が尿道から逆流し、膀胱で繁殖して発症します。

 ・大腸菌が原因のことが多く、細菌の量が多いと罹りやすい

 ・疲労やストレスで免疫力が落ちていると罹りやすい

 ・特に女性は尿道が短く細菌が膀胱に入りやすい

○尿の流れがスムーズでないと罹りやすい

 ・男性では前立腺肥大や包茎

 ・ガン、尿路結石など

○性行為でも罹ることがあります。

「排尿時や排尿終わり頃、下腹部が痛い」~排尿痛

「残った感じがする」~残尿感

「トイレの回数が急に増えた」~頻尿

「おしっこに血が混じる」~血尿

こんな症状でお困りでしたら、膀胱炎かもしれません。

膀胱炎のご相談をよく受けますが、排尿痛や残尿感などがない場合も多々あります。

検査をしても細菌はほとんどいないと言われる、抗生物質で治まっても繰り返すことが多いようです。

漢方はお困りの症状がどうして起こるのかということから考えます。

例えば、あなたの体の方に原因があるのか?それとも外からの原因によるものなのか?など、

ご一緒に考えて、あなたにピッタリの漢方薬を提案しています。

タイプに合わせた漢方薬で

あなたの「おしっこの悩み」解決します。

薬剤師・国際中医師・子宝カウンセラー 渡辺喜美江

おしっこの悩みご相談は、べにばな薬局へ

唐津市南富士見町6-23

0955-70-1881

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