べにばな薬局のブログ

2023年5月

おならの話

2023年5月8日 月曜日

出物(でもの)腫れ物(はれもの)所嫌(ところきら)わず

 おならなどの出物やおできは、時ところ構わずに出るという意味で、

思わずおならをしてしまったときなどに昔からよく使われてきた言葉です。

人前で出そうになって困ったことや、気兼ねなく思いっきり出せたときの気持ち良さはどなたにも経験あることでしょう。

今回はそんな「おならの話」です。

1,おならの原因

 おならは正式には「屁」といいます。

おならは体内に溜まったガスを外に出そうとする生理現象なので、止めるわけにはいきませんね。

個人差はありますが、その量は諸説あるのでここでは省略します。

呼吸や食事とともに入ってくる空気の大部分はゲップで排出されますが、少量の空気が消化管に入りそれがおならとして排出されます。

食べ物が胃や小腸で消化吸収され、そのカスが大腸で腸内細菌によって発酵分解される時にガスが発生しますが、ほとんどは腸管から吸収されます。

吸収されなかったガスがおならとして排出されるのです。

腸管から吸収されたガスは、血液で肺に送られ呼気の一部になって出て行きます。

(漢方の考え方でも肺と大腸は深い関係があるのです。)

2,おならの音はどうして出るの?

  腸内に溜まったガスが出るときに、肛門の上皮が振動して音が出ます。

ガスの量や速度によって音の高低や大きさが変わるようですが、まるでリード楽器のようです。

そういえば、おなら演奏のビックリさんをテレビで観たことがありますよ。

3,おなら臭い?臭くない?

 1, のところで述べたように、消化吸収されなかった食べ物のカスが大腸で分解され発酵してガスが発生するので、食べ物の種類や量、体調、腸内環境によってガスの量や匂いが異なります。

例えば、食物繊維が多い食品は大腸で乳酸菌などによって分解され多量のガスが発生しますが、ほとんど匂いません。

肉類や硫黄成分を含んだ食べ物(ニンニク、ネギ類など)は、ウエルシュ菌などの悪玉菌によって分解される時に腐敗し匂いの強いガスを発生します。

おならの悩みと漢方

 「大きなおならをするから、お父さんキライ!と娘が言うのですよ。」

「職場でもそうなのかと尋ねたら、職場では余り出ないけどお腹が張るらしい。『屁は健康のバロメーター!』と夫は言うけど、本人もちょっと気にはなっているみたいなんです。」と苦笑いしながらご主人のおならのことでご相談がありました。

さて、このお父さんのおならは臭いでしょうか?臭くないでしょうか?

*肝の働きとおなら

おならのことを漢方では(しっ)()といいます。

気体ですから、気という文字が使われるのは納得です。

「気」は元気の気、目には見えないエネルギーのようなものと考えるといいでしょう。

気は体の中を巡って活動しています。その流れを調節しているのが「肝」の働きです。

肝は伸びやかな状態を好みますが、ストレスなどで伸び伸び出来ない状態が続くと、気の流れが滞って様々な症状が出てきます。

気の流れが滞って溜まるので、胃腸の働きにも影響が出てきますし、ガスが溜まってお腹が張る、おならが多くなる、逆に出したくても出なくて苦しい思いすることもあります。

お腹と限らず、様々な場所で張った痛みが出てくることもあります。

ご相談のお父さんはお仕事の気遣いで気の流れが滞り、ご家庭でほっとして溜まった気をおならとして放出したのでしょう。なので、正解は匂いのないおならです。

こんな症状を肝うつ気滞証といいます。抑うつされた精神状態を整えて気の流れをよくする漢方がお役に立ちます。

*胃腸の働きとおなら

胃腸の働きが弱って消化吸収がうまくいかないと、大腸に負担がかかりガスが発生しやすくなります。

また、便秘になると腸内で腐敗し臭いおならに悩まされることにもなります。

胃腸を丈夫にすることも大切です。

🔲おならが多い

🔲おならが臭い

🔲おならの音が大きい  

🔲お腹が張る

🔲年を取っておならが多くなった     

おならの悩みには漢方がお役に立ちます。ひとりで悩まずご相談下さい。

TEL 0955-70-1881

ページの先頭へ戻る