べにばな薬局のブログ

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近頃どうも胃の調子が悪くて・・・

2025年4月15日 火曜日

土用シリーズⅠ~春の土用~

 

「なんだか胃のあたりが貼って苦しい。

腸もグルグルいってガスが溜まっている

みたい。

食欲もあまりなくて、軟便気味です。

以前こちらで頂いた漢方薬が良かったので。」

と50代女性のご相談です。

お話を伺うと、「ストレスのようなモノは

何もないし、暴飲暴食もしていない。」

と言われますが、コレ!という明確なモノが

なくてもカラダは正直です。

季節の移ろいを敏感に感じ取っているので

しょう。

 日本の四季、春夏秋冬それぞれの季節

の始まりが「立春、立夏、立秋、立冬」

そして、次の季節に入る前の18日間が

「土用」です。

「季節の変わり目」と言われるこの時期は

何かと体調を崩しがちですね。

陰陽五行説では五臓と季節の関わりを

説いています。

(下の図をご覧ください)

「春は肝」 「夏は心」 「秋は肺」 「冬は腎」を労って次の季節に備えます。

あれ?

「脾(消化機能と考える)」と関わる季節は?

そう、ひとつ残ったを労るのが

次の季節への橋渡しをする「土用(黄色い丸)」の時期です。

春に活発になる臓器は「肝」ですが、

実は「肝」はストレスに弱い臓器です。

木の性質に似ているので、伸び伸びとした状態を好みます。

しかし、実生活ではなかなか伸び伸びできませんね。

肝は「氣」の流れを良くする働きもあるので、

伸び伸びできないと氣の流れが滞って様々な場所に氣が溜まり、苦しくなってきます。

これが「張ったような痛み」や「おならなどのガス」となって現れるのです。

我慢強い肝が弱ってくると、

ななめ下にある「脾」に影響します(点線の矢印で表示)。

これを漢方では肝と脾の調和が取れない「肝脾不和」と表現します。

つまり、今回のご相談はストレスによって肝が弱りそこから胃腸に影響したと考えられるのですね!

夏の土用は有名ですが、

土用はそれぞれの四季にあります。

2025年の春の土用は4月17日から

明けは5月4日とされています。

つまり5月5日が「立夏」夏の始まりです。

実生活の季節感と若干ずれはありますが、

立春以降の2・3・4月は、生活の環境も

変わる方が多いのでドキドキ・ワクワクが

身体の変調となって現れやすいです。

「木の芽時」という言葉がありますが

この時期特有のこころや皮膚の

お悩みも増えてきます。

春から夏に向かう春の土用は、

どのようなことに氣をつけたら

良いのでしょう。

新生活の疲れも出て来る頃。

5月病といわれる時期でもあるので、

上手にストレスを発散しましょう。

おすすめのはセリなどの香りの良い食材や酢の物。

お花見や歓送迎会などで疲れた肝臓を

休めつつ、胃腸を守る消化の良い食べものを

取り入れるようにしましょう。

本格的な夏の前に日本には湿度の高い

梅雨がありますが、脾というところは湿気を嫌います。

水分の摂りすぎに注意をして、ウォーキングなどで心地よい汗をかいて

水分代謝を良くすることもお忘れなく♪

Children Party Image Illustration

肝も脾も労りながら、元氣に次の季節に

進みましょう!

文責

べにばな薬局

薬剤師 国際中医師 子宝カウンセラー

渡辺喜美江

べにばな薬局 

TEL 0955-70-1881

恥ずかしくて聴けない・・・~え?これも更年期症状なの?~

2024年4月27日 土曜日

 

べにばな薬局は女性薬剤師だけのお店だからでしょうか?

女性の込み入ったご相談も多いです。

先日のことです。

長年利用して下さっているお客様が声を潜めて

『最近、下着が擦れて陰部がひりひりするのよ。

下着が当たるだけでもいや。

乾燥している感じ。

おりものも減ってきたし。

これも更年期のせい?

枯れてきたってこと?

こんなこと先生にしか聴けないわ。』とおっしゃいます。

女性には「子孫を産み育てる」という女性特有の機能があります。

それは女性ホルモンの働きによって絶妙に調節されてきました。

 卵巣機能が衰えて女性ホルモンが徐々に減ってくる更年期前半は、自律神経の乱れによる症状(ホットフラッシュや、焦燥感、イライラ、憂うつ感など)が出やすくなります。

やがて卵巣機能が停止して、閉経を迎える更年期後半から老年期になると、女性ホルモンそのものの減少による症状に注意する必要があります。

女性ホルモンの影響を受けるところ(受容体)は体中にありますので、今まで罹りにくかった症状も出やすくなります。

例えば心臓・血管などの循環器系や肝臓での脂質代謝異常、そのほか骨、皮膚、筋肉などにも影響が出てきます。

一般的に更年期前の女性が比較的健康で元気なのは、女性ホルモンに守られているからなのです!

「子孫繁栄に必要な身体だから大切にされている」と言っても過言ではありません。

ご相談の女性の陰部の乾燥感や痒み等は、コラーゲン合成低下による症状であると考えられています。

女性の一生年表、年齢による罹りやすい症状、更年期については 

こちら⇒ 女性の一生年表 – home (jimdofree.com)  

     更年期障害 – home (jimdofree.com)

 漢方の世界では、ひとが生を受けた時から死ぬまでを「腎の盛衰」でみています。

漢方でいう「腎」は西洋医学の「腎臓」の働き以外にもっと大きな働きがあり、成長や老化、生殖、免疫、水分代謝、骨や髪や脳の健康などにも関与していると考えられています。

人間の生命力には母親の胎内にいる時に育まれる先天の精と、誕生後の食べものや生活習慣で培われる後天の精があり、それらは生きていく上で必要なエネルギー「腎精」として「腎」に蓄えられます。

漢方の古い書物によると、子どもの成長や老化による体の変化は腎の盛衰と繋がっていて、女性は7歳ごと男性は8歳ごとに変化が記されています。

女性の身体は、大きく分けると

・初潮を迎え妊娠可能となる思春期  14歳頃~21歳頃

・女性の機能が最高潮になる性成熟期 21歳頃~35歳頃

・生殖機能が衰えて閉経を迎える更年期 42歳頃~49歳頃

・更年期以降の老年期 49歳ころ~

つまり、35歳頃をピークに徐々に腎精が衰え「腎虚」になってきます。

女性ホルモンの減少や骨量の減少のグラフが見事に一致していますね。

更年期後期から老年期になって潤いがなくなってくるのは、腎虚の症状のひとつで陰分(からだを構成するもの)が減ってくるからなのです。

更年期後半、老年期の女性の皆様、思い当たりませんか?

皮膚や粘膜の乾燥だけでなく、毛髪のトラブル、シワやたるみ、身長が低くなる、ドライアイ、足腰の弱りなどなど

女性35歳過ぎた頃からいろいろなものが減っていき、身体に変化がみられます。

更年期以降のステージを活き活きと若々しく過ごすためには、

減る前から補っておく、減ったら補う。」

これが鉄則です。

腎陰虚を補う漢方薬 : 

六味地黄丸、知拍地黄丸、杞菊地黄丸、瓊玉膏など

特に瓊玉膏は不妊・不育でお悩みの方、小さいお子様の成長のために、ご高齢の方の滋養強壮としても安心してお使い頂けるお薬です。

潤い不足の方へのおすすめ食材 :

枸杞の実、松の実、黒ごま、白きくらげ、黒きくらげ、山芋、豚肉、卵、梨、リンゴ、蜂蜜、など

若い人の中には血虚(血の持つ栄養・滋潤作用が不足した状態)の症状の方も多いですが、

血虚がすすみ陰液不足で肌、髪、爪などが乾燥気味になってしまうこともあります。

若いうちからしっかりケアしていくことは、更年期をはつらつと過ごし、歳を重ねるほど若々しい老年期を送るために大切なことなのです。

文責

べにばな薬局

薬剤師 国際中医師 子宝カウンセラー

渡辺喜美江

べにばな薬局 TEL0955-70-1881

これもストレスが原因だったの!?

2024年2月24日 土曜日

 『病の90%はストレスから』という言葉をよく耳にしますし、『病気とまではいかなくても、何かしらの不調の原因が無意識のうちに心に抱えていたことだった。』と言うことはよくあります。

ストレスとは?

 簡単に言うと、『外部からの刺激が自分にとって好ましくないと感じること』で上手に発散できないと心身に影響を及ぼすようになってきます。

今回はストレスによって起こったお悩みのご紹介。

 仕事が楽しくて気がついたら42歳

【キャリアウーマンAさん】

43歳で自然妊娠、44歳で自然分娩で出産。

元々健康体であり、妊活中も産後も赤ちゃんとご自分のために必要なものをきちんと取り入れていたので

妊娠中や産後のトラブルもほとんどなく、夜間2~3回起きて授乳するのも苦にならないとおっしゃいます。

ところが!

最近授乳中に身体が痒くて仕方ないとご相談がありました。

・夜間の授乳中に身体が痒い

・痒みが出る場所は一定ではなく、あちこちが痒くなる

・痒みが出たり引っ込んだりする

・蕁麻疹かな?と思って痒みが出たところを見ても、皮膚には何もできていない

・掻いたあとは腫れるが、朝5時頃の授乳時には消えている

・日中の授乳時にはほとんど痒みは出ない

・最近頭痛が出ることもある

掻きながらおっぱいは飲ませにくいし、あまり掻いていると子どもも落ち着かず

途中でおっぱいを飲みやめてしまいます。この痒みは何なのでしょう?

夜間の授乳がストレス!?

 愛する我が子におっぱいをあげているときは『至福の時間』と言っても、夜中に何回も起きるのは大変!

無意識のうちに苦痛になっていたかもしれません。

・症状の出方が一定ではない

・症状の出る場所が移動する

・症状が急に出たり引っ込んだりする

・ストレスを感じたり、イヤなことがあると症状が出やすい

・イライラ(精神が過敏なとき)したときに特に症状が出やすい(ひどい)

このようなときは気の流れに左右される『肝気鬱結証』の代表的な症状の出方と考えます。

特に春の時期に多い肝の症状。

『春は肝が病む季節』と聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。

春は植物が芽吹くとき。

伸び伸びと根や葉を伸ばし、ぐんぐん成長したい時期。

しかし、ストレスなどで押さえつけられるとどうでしょう?

伸びたくても伸びることができず不調を感じますよね。

身体にも同じことが起こります。

肝は気の流れを司るところですから、

抑うつ状態を感じると、気の流れが滞り様々な不調が出てきてしまうのです。

例えばイライラする、ガス(げっぷ、おなら)が多い、生理周期が不安定、肩やお腹が張りやすい、今回のように痒みとして現れることもあるでしょう。

このようなときはアロマなどリラックス効果のあるものを使うといいですね。

ゆっくりお風呂に入ったり、運動したりもいいでしょう。

好きなことを思い切り楽しめればいいですが、小さなお子さんがいると自分の時間もゆっくりとれません。

そんなときはリラックスできる状態に近づける漢方処方を頼りましょう。

べにばな薬局は、皆さんのストレスによるお悩みに対応した漢方をご提案することを得意とするところです。

これもそうなのかな?と思い当たることがあれば、小さなことでもご相談ください。

このほか、ストレス『肝鬱気滞証』による症状は他のブログもご覧下さい

げっぷの話 « べにばな漢方の話-あなたの漢方の常識それホント?足管理の話もちょっぴりブログ|べにばな薬局 (benibana-kanpou.com)

おならの話 « べにばな漢方の話-あなたの漢方の常識それホント?足管理の話もちょっぴりブログ|べにばな薬局 (benibana-kanpou.com)

ウキウキの春なのに、困った症状があるのです。 « べにばな漢方の話-あなたの漢方の常識それホント?足管理の話もちょっぴりブログ|べにばな薬局 (benibana-kanpou.com)

文責

べにばな薬局

薬剤師 国際中医師 子宝カウンセラー

渡辺喜美江

べにばな薬局 TEL0955-70-1881

タチの悪い風邪に罹ったかも?!

2023年12月21日 木曜日

冷たい雨がシトシトと降る夕方、

30代の女性がお仕事帰りに

総合感冒剤をお求めに立ち寄られました。

お話を伺うと、

▢ ゾクゾク寒気がして熱が出そう。もう熱が相当あるかもしれない。

▢ とにかく身体が沈みそうなくらいだるい。

▢ 関節も重だるくてつらい

▢ 頭も重い 

▢ ムカムカするし、便も下痢っぽい。

▢ とにかく眠い、早く帰って寝たい~

▢ 悪い風邪なのかなぁ

寒気や熱感だけではなく身体や節々が重だるくて胃腸の調子も悪いなんて、それはつらいですね。

タチの悪い風邪に罹ってしまったと思いますよね。

実は、

それは

湿邪が絡んだ風邪症状

と思われます。

冬は乾燥の季節なので湿邪が絡んだ風邪は珍しいのですが、

こんな冷たい雨がシトシト降るような日や、

もともと身体の水はけが悪く水分を溜め込みやすい方、

冷たい飲み物を摂りすぎて胃腸に負担をかけてしまった時など、

つまり身体に余分な湿気が留まっている時に風の邪に襲われると出やすい症状です。

余分な湿気(湿邪)も風邪も身体にとって不要なものなので、

取り除いてあげるとスッキリしますよ。


ところで湿邪とは?

・湿は重くて汚い

 身体がだるい 節々が重だるく痛みを伴うこともある 頭が重い 分泌物が汚い 

・湿はネバネバで停滞する

 症状は長期化しやすい 停滞するので慢性化しやすい 眠い

・湿は流れを塞ぐ

 胸が痞えた感じ 代謝が悪くなる 浮腫む 腸鳴 便がスッキリ出ない

・湿は下降する

 重たいので下に行く 浮腫みは下半身に出やすい 滞下(おりもの)が多い 下痢

湿邪に風邪が加わると?】

悪寒、発熱(熱っぽい)、頭が重い  

身体や節々が重く痛む

ムカムカする、嘔吐、お腹が痛む、腸が鳴る、下痢 

身体が重く横になりたい、眠い 

等の症状が特徴的です。

こんな重い症状でも、漢方薬は効くの?

もちろん!

こんな時でも漢方は効きます。

漢方は長く飲まないと効かないと聞いたことがあるけど。

実は、風邪などの症状では 

1,2服でスッキリする

こともあるのですよ。

身体にとって余分なものは早めに追い出しましょう。

今回は湿邪があるところに風邪が侵入したお話でしたが、

普段から湿を溜め込みやすい人(水分代謝の悪い人)、

湿度が高い環境にいる人は、以下を心がけておくと良いでしょう。

*水分を摂りすぎない

*運動や半身浴で汗をかく

*ネバネバ食品や餅類を摂りすぎない

*利尿作用のある食品を利用する

  ハトムギ、黒豆、小豆、冬瓜、トウモロコシのひげのお茶 等 

  

ひと言で「風邪」と言っても、様々な原因による症状があります。

風邪は万病の元と言われます。

風邪くらいと侮らず、どうぞご相談ください。

その前に

疲れを溜めない

寝不足をしない

偏食をしない

上手にストレス発散

を心がけましょう

「風邪を引かない日頃の身体作りが大切」なのは言うまでもありません。

いつでもお気軽にご相談ください!

文責

べにばな薬局

薬剤師 国際中医師 子宝カウンセラー

渡辺喜美江

べにばな薬局 TEL0955-70-1881

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