街の薬局の調剤室で今も手作りされている漢方軟膏。
中でも「紫雲膏(しうんこう)」と「中黄膏(ちゅうおうこう)」は、昔ながらの知恵が詰まった外用薬です。
市販品もありますが、私たち「べにばな薬局」では、ひとつひとつ手作業で仕上げています。手間はかかりますが、その分使う人のことを思いながら作る時間は私たちにとって、とても大切なひとときです。
今回は、黄色が美しい「中黄膏」についてご紹介します。

★中黄膏のルーツと物語
中黄膏は、江戸時代の名医・華岡青洲先生が創設した私塾「春林軒」で伝えられた14種類の軟膏のひとつです。青洲先生は、世界で初めて全身麻酔による乳がん手術を成功させたことで知られています。小説『華岡青洲の妻』などでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
外科に長けていた青洲先生だからこそ、漢方軟膏の創薬にも深い知見があったのでしょう。
中黄膏はそんな歴史の中で生まれた自然の力を活かした外用薬です。
中黄膏は『薬局製剤指針』にも記載されており、急性の化膿性皮膚疾患(はれもの)の初期や、打ち身・ねんざなどの効能効果がある軟膏です。
★主な成分とその働き
鬱金(ウコン)


ショウガ科の根茎で、味は辛・苦、性質は涼。 気や血の巡りを整え、痛みを和らげる働きがあります。月経痛や打撲、胃の不調にも使われ、健康食品や香辛料(ターメリック)としてもおなじみですね。カレーの黄色や、昔のたくあんの色付けにも使われていました。
黄檗(オウバク)


胃作用があります。炎症や打撲、肺炎などにも用いられ、防虫効果もあるため、昔は大切な書類用の紙や、和服を包む風呂敷を染めるのにも使われていたそうミカン科の樹皮で、味は苦、性質は寒。 熱を鎮め、湿気を取り除き、殺菌や健です。
地方によっては産着を染める風習もあったとか…自然の力ってすごいですね。
★こんな時におすすめです

・おむつかぶれ
・あせも
・アトピーとあせもが混在した皮膚炎
・赤みと熱感が強く、化膿しているニキビやできもの
★私の体験から
高齢の父が帯状疱疹に気づかず、湿布を貼ってしまったことで症状が悪化したことがありました。
病院では抗生物質の軟膏が処方されましたが、あまりに痛々しくて…。中黄膏をガーゼに広げて貼ってみたところ、患部が乾いて赤みが引き、回復が早かったように感じました。
帯状疱疹は「湿熱証」とされるため、オウバクの熱を鎮める・湿を去る・殺菌する力が、ちょうどよく働いたのかもしれません。身内のことなので気づくのが遅れてしまいましたが、良い症例を見せてもらえたことに感謝しています。
★手作りの工程と想い
ごま油をじっくり2時間ほど加熱し、ミツロウを加えて手で触れる位まで冷まします。そこにウコン末とオウバク末を加え、時々かき混ぜながら仕上げていきます。手間はかかりますが、愛着のある軟膏です。
「青洲先生は、乳がん手術の傷にどんな軟膏を使ったのかな…」 そんなことを思いながら手作りする時間は、私にとってとても贅沢で、心が整うひとときです。
★地方発送承ります
症状をお伺いしたうえで、地方発送も可能です。お気軽にお問い合わせください。
お問合せ・ご予約先
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電話0955-70-1881もしくはLINEにて
★華岡青洲ゆかりの地へ
和歌山県紀の川市には、華岡青洲の偉業を称える「華岡青洲顕彰記念公園」があります。
和歌山へお出かけの際は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
文責
べにばな薬局 薬剤師 国際中医師
渡辺喜美江

べにばな薬局
TEL 0955-70-1881








