寒さで胃が痛い?冬の土用に起こりやすい不調
昨年の春、季節の変わり目に「胃の不調」でご相談を受けたことがきっかけで始まった土用シリーズ。
今回で四季をひと巡りしました。
まずは復習として、これまでの記事もどうぞ。
- 春の土用 https://benibana-kanpou.com/news/2296.html
- 夏の土用 https://benibana-kanpou.com/news/2367.html
- 秋の土用 https://benibana-kanpou.com/news/2476.html
冬の土用に多い「寒さによる胃の不調」
今回のご相談は、胃の痛みと吐き気。
『普段は胃が弱いと感じたことはない。
寒い日が続いたあと急に胃が痛くなり、吐き気がして水のようなものを吐いた。
胃がじわじわ痛み、チャプチャプ音がする。
食べても食べなくても痛む。
温かいものを飲みたいけれど、吐き気がして飲めない。
カイロで温めると楽になる。』
さらに、
『こたつでミカンをよく食べていた。ミカンは身体を冷やすと思いながらも美味しくて、つい…』
と言われました。

寒邪(かんじゃ)が居座ると、胃は動けなくなる
底冷えの日が続いたところに、ミカンの食べ過ぎで胃が冷えていたため、
入り込んだ寒邪を追い出せず、胃の働きが停滞してしまったと考えられます。
これは「お腹を温める力が弱い」というより、
”寒さという邪魔者が居座ってしまった”状態。

普段胃が丈夫な人でも、冷たいビール・アイス・かき氷の食べ過ぎで同じような症状が起こります。
夏にかき氷で頭がキーンと痛くなるのも、寒邪の仕業です。
冬は特に、冷たいもの・身体を冷やす食材の摂りすぎにご注意
冬の土用は「春への助走期間」
四季の始まりは立春・立夏・立秋・立冬。
その前の18日間が「土用」です。
陰陽五行説では、五臓と季節の関わりを説いています。
すなわち「春は肝」「夏は心」「秋は肺」「冬は腎」を労って次の季節に備えます。
そして、次の季節への橋渡しをするのが土用の時期であり「脾」を労ります。

冬は「腎」を養い、余計なエネルギーを使わず静かに過ごす季節。
しかし現代人にはなかなか難しいものです。
『養生訓』には「早寝遅起き、冷やさない」と記されています。
脾は食べたものを消化し、生命エネルギーである「腎精」を腎に送る大切な役割があります。
冬の土用は、春の活動期に向けて脾と胃を整える重要な18日間です。
2026年の立春は 2月4日。
冬の土用は 1月17日〜2月3日です。
年末年始の食べ過ぎ・飲み過ぎ・冷えで弱った脾胃を立て直す絶好のタイミングです。
冬の土用の食養生
お勧め食材
- 胃を温める:生姜、ねぎ、山椒
- 脾を補う:かぼちゃ、さつまいも、もち米、栗、はとむぎ
- 冷えを追い出す:シナモン、黒胡椒
- 胃を休める:おかゆ、雑炊、具だくさん味噌汁

避けたいもの
●冷たい飲み物
●柑橘の食べ過ぎ
●生野菜の摂りすぎ
●夜遅い食事
冬の土用 簡単薬膳
生姜と長ねぎのぽかぽか鶏雑炊

脾胃を温めて、消化にやさしい定番の薬膳。
● 効果のポイント
– 生姜:胃を温め、寒邪を散らす
– 長ねぎ:気の巡りを助け、冷えを追い出す
– 鶏肉:脾を補い、体力を回復
– ご飯:脾の働きを助ける「甘味」の代表
● 作り方(簡単)
1. 鶏もも肉を小さく切り、だしで軽く煮る
2. ご飯を加えて弱火でコトコト
3. 生姜のすりおろし・刻んだ長ねぎを加える
4. 塩少々、あれば少量の醤油で風味づけ
→ 冷えで弱った胃が「ほっ」と緩む一品。
春を軽やかに迎えるために
冬の土用は、春の芽吹きに向けて身体を整える大切な期間。
「なんとなく胃が重い」「冷えると痛む」
そんなサインを見逃さず、少しだけ自分を労わってあげてください。
文責
べにばな薬局 薬剤師 国際中医師
渡辺喜美江

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べにばな薬局
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